法華曼荼羅 (Hokke Mandala)

法華曼荼羅(ほっけまんだら)とは、法華経の世界を図、梵字、漢字などで表した曼荼羅の一種。

密教の法華曼荼羅
真言宗、天台宗に於ける法華曼荼羅は、法華経前半十四品(迹門)に登場する、菩薩などを表したものである。

中央に多宝塔、中央右に釈迦如来、中央左に多宝如来、周囲に弥勒菩薩・文殊菩薩・薬王菩薩・妙音菩薩・常精進菩薩・無尽意菩薩・観音菩薩・普賢菩薩が配置されている。

日蓮の法華曼荼羅
日蓮門下の諸派に於ける法華曼荼羅は、日蓮が末法の時代に対応するべく、法華経後半十四品(本門)に登場する、如来、菩薩、明王、天部などを表したものである。

1271年(文永8年)に書いたものが最初で、日蓮直筆は127幅余(そのうち日蓮正宗の本尊は30体余り)が現存する。

中央に題目(南無妙法蓮華経)を配置する。

左側に釈迦如来・浄行菩薩・安立行菩薩・普賢菩薩・弥勒菩薩・大迦葉・釈提恒因大王(江戸時代後期以降の日蓮正宗の本尊の多くは帝釈天王と書かれている)・大月大王・明星天子・十羅刹女・阿闍世王・大龍王・妙楽大師・傳教大師・八幡大菩薩・愛染明王等を配置する。
右側に多宝如来・上行菩薩・無辺行菩薩・文殊菩薩・薬王菩薩・舎利弗・大梵天王・第六天魔王・大日天王・鬼子母神・轉輪聖王・阿修羅王・提婆達多・龍樹菩薩・天台大師・天照大神・不動明王等を配置する。
(幅により異同あり。)

右上に持国天・右下に広目天・左下に増長天・左上に毘沙門天を配置する。

これらを漢字や梵字で書き表し、中央の題目から長く延びた線を引く特徴から、髭曼荼羅とも呼ばれている。

日蓮正宗の葬儀で掲げられる(寺院の納骨堂に安置されている)「導師本尊」は、「天照大神」の位置に「閻魔法王」、「八幡大菩薩」の位置に「五道冥官」が書かれている。

[English Translation]