一霊四魂 ({{engl}})

一霊四魂(いちれいしこん)とは、心は、天と繋がる一霊「直霊」(なおひ)と4つの魂から成り立つという日本の神道の思想である。

一霊四魂の歴史

心は、天と繋がる一霊「直霊」(なおひ)と4つの魂から成り立つという考え方であり、一霊四魂(いちれいしこん)と呼ばれる。
「一霊四魂」のまとまった記述は、幕末から明治の国学者・本田親徳(ほんだ ちかあつ)によってなされた。
また、本田の弟子の長沢雄楯の弟子であった出口王仁三郎は、人間の心だけではなく森羅万象がこの一霊四魂から成り立っていると説き、一霊四魂に関する多くの著作を残した。

一霊四魂の構成要素の一部「奇魂、幸魂」は「日本書紀」に表れ、8世紀にはその考えが存在したと推測される。

一霊四魂の構造

「一霊四魂」とは、人間の心は四つの魂から成り立ち、それらを一つの「霊」がコントロールしていると考える。
それぞれの魂には、荒魂(あらみたま)、和魂(にぎみたま)、幸魂(さちみたま)、奇魂(くしみたま)という神様の名前がついており、それらを統括するのが一つの霊で、直霊(なおひ)である。
これが人間の一霊四魂という「心の構造」である。

荒魂には勇、和魂には親、幸魂には愛、奇魂には智というそれぞれの魂の機能がある。
それらを、直霊(なおひ)がコントロールしている
簡単に言えば、勇は、前に進む力、親は、人と親しく交わる力、愛は、人を愛し育てる力、智は、物事を観察し分析し、悟る力である。

これら4つの働きを、直霊がフィードバックし、良心のような働きをする。
例えば、智の働きが行き過ぎると「あまり分析や評価ばかりしていると、人に嫌われるよ」という具合に反省を促す。
つまり、この直霊は、「省みる」という機能を持っている。

四魂の機能


荒魂(あらみたま)
「勇」は荒魂の機能であり、前に進む力である。
勇猛に前に進むだけではなく、耐え忍びコツコツとやっていく力でもある。
その機能は、「勇」という一字で表わされる。
行動力があり、外向性の強い人は荒魂といえる。


和魂(にぎみたま)
2つめの魂の機能は和魂であり、親しみ交わるという力である。
その機能は、一字で表現すれば「親」である。
平和や調和を望み親和力の強い人は和魂が強い。


幸魂(さちみたま)(さきみたまとも呼ばれる)
3つめの魂は幸魂であり、その機能は人を愛し育てる力である。
これは、「愛」という一字で表される。
思いやりや感情を大切にし、相互理解を計ろうとする人は幸魂が強い人である。


奇魂 (くしみたま)
4つめは奇魂であり、この機能は観察力、分析力、理解力などから構成される知性である。
真理を求めて探究する人は、奇魂が強いといえる。

直霊の機能

「直霊」(なおひ)の機能を一字で表すと「省」で、自分の行動の良し悪しを、省みることで、四魂を磨いていく働きをする。
直霊はものごとの善悪を判断して、人を誤らせないように導き、もしも誤ってしまった場合は、それらを反省し、自らを責め、悔い改めようとする。

この直霊だけが、直接「天」につながり、四つの魂をコントロールすることで四つの魂を磨くという働きをする。
荒魂には「恥じる」ことでフィードバックし、和魂には「悔いる」で、幸魂には 「畏れる」で、奇魂には「覚る」ということでフィードバックする。

この4種のフィードバックをするためには、「省みる」という機能が前提である。
これを加えて、五情の戒律という。

魂の発達

四魂は直霊によって磨かれることで、四段階で成長をする。

第一段階「一徳」
四魂のうち1つの魂が十分に発達した状態を「一徳」という。
一つだけ発達しても天国に行けると言われる。

第二段階「二徳」
二つの魂が十分に発達した状態を「二徳」といい、一徳の次は二徳を目指すことになる。
二徳の組合せは、勇親、愛智、勇愛、勇智、愛親、親智で、合計6通りとなる。
それぞれ逆の組合せもあるので、厳密にいえば12通りあることになる。

第三段階「三徳」
3つの魂が十分に発達した状態を「三徳」といい、勇智愛、勇親愛、勇親智、親智愛の4つの組合せがある。

第四段階「全徳」
4つの魂全てが十分に発達した状態が「全徳」である。
この全徳を備えた魂に対して、伊都能売御霊(いづのめのみたま)という神様の名前がついている。
人間はこの全徳をめざして魂を磨いていくことが目的であるとされている。

曲霊の働き

直霊が正常に働いているときは、四魂は磨かれていくが、正常に働かなくなるとき曲霊(まがひ)に転じる。

曲霊によって、荒魂は争魂となり、和魂は悪魂、幸魂は逆魂、奇魂は狂魂となる。

[English Translation]