幣帛 (Heihaku)

幣帛(へいはく)とは、神道の祭祀において神 (神道)に奉献するもののうち、神饌以外のものの総称である。
広義には神饌も含む。
「みてぐら」「幣物(へいもつ)」とも言う。

「帛」は布の意味であり、古代においては貴重であった布帛が神への捧げ物の中心となっていたことを示すものである。
『延喜式』の祝詞の条には、幣帛の品目として布帛、衣服、武具、神酒、神饌などが記されている。
幣帛は神への捧げ物であると同時に、神の依り代とも考えられ、これが串の先に紙垂を挟んだ依り代や祓具としての幣束・御幣、大麻 (神道)となり、これらのことも幣帛と呼ぶ。

明治8年に定められた「神社祭式」では、幣帛として布帛などの現物のほか、金銭を紙に包んだ「金幣」を加えることとされた。
現在、全国の神社本庁包括下の神社の例祭には神社本庁から「幣帛料」という名前で金銭が贈られている。

天皇の命により幣帛を奉献することを奉幣(ほうべい、ほうへい)といい、そのために遣わされる者のことを奉幣使(明治以降は幣帛供進使)という。
神社本庁から各神社に幣帛を奉献するための使いは献幣使という。

幣帛に関する和歌
菅原道真「このたびは幣もとりあへず手向山八幡宮 紅葉の錦神のまにまに」(古今和歌集)

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