抓津姫神 (Tsumatsu-hime)

抓津姫神(つまつひめ)は、日本神話に登場する神。
都麻都比賣命・爪津姫神・枛津姫神などと表記する。

スサノオの娘で、兄に五十猛神、姉に大屋都比賣神がいる。
「ツマ」は建物を築くために製材した材木を意味する。

抓津姫神は、兄の五十猛神や姉の大屋津姫神と共に木の文化を司るとされ、木造建築などの女神として崇拝されている。

日本書紀

『日本書紀』 卷第一 第八段の第五の一書は以下のような記述となっている。
一書曰 素戔嗚尊曰 韓郷之嶋 是有金銀 若使吾兒所御之國 不有浮寶者 未是佳也 乃拔鬚髯散之 即成杉 又拔散胸毛 是成檜 尻毛是成柀 眉毛是成櫲樟 已而定其當用 乃稱之曰 杉及櫲樟 此兩樹者 可以爲浮寶 檜可以爲瑞宮之材 柀可以爲顯見蒼生奥津棄戸將臥之具 夫須噉八十木種 皆能播生 于時 素戔嗚尊之子 號曰五十猛命 妹大屋津姫命 次枛津姫命 凡此三神 亦能分布木種 即奉渡於紀伊國也 然後 素戔嗚尊 居熊成峯 而遂入於根國者矣棄戸 此云須多杯 柀 此云磨紀
上記によれば、素戔嗚尊の鬚髯からスギ、胸毛からヒノキ、眉毛からクスノキなどの木々が生じた。
そして、素戔嗚尊から各々の用途を教えられた3人の子は日本全国の山々にこれらの種を蒔いて回ったという。

先代旧事本紀

日本紀講筵の際提出された偽書とされる『先代旧事本紀』巻第四 地祇本紀では、以下のような記述となっている。
一説曰 素戔烏尊之子 號曰 五十猛命 妹 大屋姫命 次 抓津姫命 凡三神 亦能分布八十木種 則奉渡於紀伊國 及此國所祭之神是也
素戔烏尊 此尊與天照太神共誓約(中略)次 五十猛命 亦云 大屋彦神 次 大屋姫神 次 抓津姫神 已上三柱 並坐 紀伊國 則紀伊國造齋祠神也

抓津姫神を祀る主な神社
都麻都比売神社
伊太祁曽神社(摂社扱い)
売布神社 (松江市)(相殿)
妻山神社

[English Translation]