神体 (Shintai)

神体(しんたい)または御神体(ごしんたい)とは、神 (神道)の体のこと。

その他、神道における「世界観の世として」の神代(かみしろ)や、古神道の神奈備(かんなび)や、皇室神道の神器(じんぎ)や、古代からある神殿や、神社神道の社(やしろ)や、注連縄の飾られる場所やものなども、神体という。
いわゆる御霊代(みたましろ)・依り代(よりしろ)といわれる神の宿る降りる(鎮座する・隠れ住まう・居る)場所や物である。

概要

基本的には、古神道を始まりとする神道全体においては、古神道や他の宗教と習合した民間信仰や神社神道や皇室神道がある。
それぞれに特徴的な神体があり、また神体(神)としている。
が、神も古神道からみれば寄り神や九十九神などがある。
人格神(尊・みこと)を主とする神社神道や皇室神道
よって神社神道や皇室神道より包括包摂的で曖昧である。
神・尊を含め、魂・精霊・命・御霊(みたま)と表現も意味も様々であり、
定義づけることなく包摂し享受してきた経緯から森羅万象を神体または、御霊代・依り代として存在する。

神代(かみよ・かみしろ)ともいう。
神代は神の住まいとしての器であり、その意味するところは、現世(うつしよ)や常世(とこよ)を含めた世界の全て(神世・かみよ)に対しての各々の場所や住まいである。
このことから代わりの器としての代ではなく神道の世界や神そのものともいえる。

一時的な簡易の神体

神体の中には長期に渡り受け継がれる物、定期的に更新される物などがある。
保存期間が一貫している物とそうでない物に分かれることが多い。
御幣や神輿や、諏訪大社の御柱や、出雲大社の神殿や、通常の神社の神殿としての社などがある。
神体が刷新されたり引き継がれる時間や機会は、複雑さや大きさに必ずしも係わらない。
具体的には御霊代神社神道の儀式に使う御幣や、簡易の神籬としての広葉常緑樹の「榊」に代表される枝葉や、祭の「神輿・山車」などが、良く知られるものである。

古神道

古神道における神籬・磐座としての海・川・山・森や木・岩など、場の様相が変わり目立つ場所(ランドマーク)が、神域とされ神が宿る場所、神体と考えられた。
または、現世(うつしよ)と常世(とこよ)の端境で神の国の入り口と考えれ、神の居る場所(神体)と考えられた。
また、自然現象として、太陽(お日様)・火や火山・水(雨)・風・雷なども神体として信仰し、それは現在でも息づいている。

古神道の神籬(ひもろぎ)・磐座(いわくら)信仰の御神木や夫婦岩や、霊峰としての富士山などを、神奈備(かんなび)ともいい、現世(うつしよ)において神が常に鎮座するまたは隠れ住む(居る)場所や物を指す。
その他注連縄が飾られているものとして、雷(稲妻)が水田などに落ちた場所などが挙げられる。

皇室神道

位の高い神の御霊代も神体と考えられた。
日本神話にある尊(人格神といい、人の肖像で人と同じような心を持つ神)の神体は「三種の神器」とも呼ばれ鏡、刀、曲玉をさし、人工物として最高位の御霊代(みたましろ)とされる。
皇室神道ともかかわり天皇家も三種の神器を所有するといわれる。

もともとは、大相撲は皇室神道における天皇家へ奉納される神事であった。、
そのことから力士の最高位である大関の中で、特別に選ばれた者だけが、神の神体である証としての注連縄である横綱を張ることができる。

神社神道

神社の社(やしろ)には、神体としての証しである注連縄が飾られている。
神社神道の神社も元は、神籬・磐座の場所に建立されたものがほとんどであった。
長い歴史をもつ神社では、本殿がなく丘や神木がご神体(諏訪神社)であったりする。
子宝・子作り信仰の強い土地では、子孫繁栄の象徴としての男根が神体でもある。
ただし、神社神道としての「社(やしろ)」も古くからあり、遺跡などから祭礼・儀式や祈祷につかわれた神殿跡が発掘されている。

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