ワカメ (Seaweed)

ワカメ(若布、和布、稚海藻、裙蔕菜、学名:Undaria pinnatifida)は、褐藻コンブ目チガイソ科の海藻。

概要

日本海側では北海道以南、太平洋岸では北海道南西部から九州にかけての海岸で、低潮線付近から下に生育する。
根状の部分で岩などに固着し、葉状部を水中に伸ばし、長さは2mにも達する。
葉状部の中心には主軸があって、それを中心に左右に広く伸び、大きく羽状に裂ける。
広がった葉の基部には、とても厚くなった葉状部がちぢまり、折れ重なったような部分がある。
これをメカブ(和布蕪)と呼び、生殖細胞が集まっている部分である。

ワカメは世代交代を行なう。
一般に知られているワカメは胞子体(複相世代)であり、メカブで作られた遊走子から発芽した配偶体は、ごく小さなものである。

海苔と同じく、古くから日本人に親しまれてきた海藻であり、『万葉集』にも「和海藻(にぎめ)」として百首近く残されている。
主に食用として用いられ、酢の物、汁物の具として使われたが、豊作祈願の神事などにも利用されていた。

横浜の「みなとみらい地区」の地先海域では、「夢ワカメ・ワークショップ」という環境教育のプロジェクトを行っており、地元の小学生など総勢三百名で横浜港でワカメを養殖している。
ワカメは海中のリンや窒素を取り込みながら成長し、海水をきれいにする為、その効果も期待されている。

タクシー運転手の間では隠語として「回送」の意(海草にかけて)、もしくは酔っ払いの客の意(揺ら揺ら揺れている事から)で使用される。
また陰毛を表す隠語として用いられる事もある(わかめ酒 (アダルト))。

食用

主に塩漬けしたり乾燥させたりして保存性を高めて商品化される。
使うときは水に漬け、塩抜きあるいは戻して用いる。
市販のワカメは緑色であるが、生きた状態では褐色であり、湯通しすることで緑色となる。

ワカメは味噌汁などの汁物の具としてよく使われる。
他にも酢の物、炒め物、サラダ、地域によっては天ぷら等幅広く料理される。
旨み成分を多く含み、また低カロリーであることから、ダイエット食品としても適している。

ワカメに多く含まれる栄養素は、食物繊維、アルギン酸、フコイダンなどで、血中コレステロール値を下げたり、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐなどの効果があると言われている。

ワカメを食用に供する習慣はほぼ日本と朝鮮半島にしかなく、日本や朝鮮半島と同じく海藻を食べる習慣が一応ある中国ですら食べなかった。
しかし中国でも近年は日本からの養殖技術の導入により、日本向けの輸出用に養殖されたものが中国国内の市場に出回り、食べられるようになっている。

一方で、朝鮮半島ではワカメを日本以上に多食し、韓国国民一人あたりの年間ワカメ平均消費量は、日本の三倍と言われている。
日本と異なり、韓国では天然ワカメと養殖ワカメに歴然としたブランド格差があり、天然ワカメは非常に貴重視され高値で取引される。
天然ワカメが取れる磯や海域は畑や田と同じ不動産扱いされ、厳しい管理のもとで一族に代々相続される。
また、韓国では誕生日にワカメのスープを飲む習慣がある。

高血圧症とワカメ
ワカメ等の海草類に含まれるアルギン酸は、消化管中で食物中のナトリウムと化合し一部がアルギン酸ナトリウムに変化する。
アルギン酸ナトリウムはヒトの腸管内の消化酵素では分解できないため便として排出される。
結果的に体内へのナトリウム吸収量が抑制されることになる。

侵略的外来種
ワカメは、世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種の一つである。

ワカメの遊走子が日本からの商船のバラストタンクの水に混入した状態でニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ諸国の沿岸域に運ばれる。
そこで水と共に放出されて増殖しており、外来生物として問題になっている。
これらの国々では海藻を常食する食習慣がないこともあり邪魔者扱いされている。

[English Translation]