京都定期観光バス (Kyoto Regular Tour Bus)

京都定期観光バス(きょうとていきかんこうバス)は、京阪バスと京都市交通局が京都市ならびにその周辺地域で運行している定期観光バスである。

本項では、同じく京都駅を出発し、京阪バスが運営していたびわ湖定期観光バスについてもこの項にて紹介する(びわ湖定期観光バスについては、かつては江若交通も運行に参加していた。
また現在は京都定期観光バスに統合され、びわ湖定期観光バスの名称は使用されていない)。
びわ湖定期観光バスは大津駅から乗車するものもあった。

また、ジェイティービー主催のサンライズツアーの一環として運行される外国人向けコースについても本項にて紹介する。

概要
日本でも指折りの観光地でもある京都における定期観光バスの歴史は長く1927年4月の開業である。
京都市における定期観光バスの特徴として一番に挙げられるのは、入場料や食事代がセットになっていることから、人気の観光スポットがほぼ待ち時間なしで入場できる点や、個人旅行ではまず入場不可能なところへのコースを設けられていることにある。

その年のさまざまなイベントなどとタイアップしてコースが定められている『京の冬の旅』『京の夏の旅』のコースはそれが最もその特徴が顕著に出ているコースとも言える。
(経由地については毎年変わるため、公式サイトを確認されること。)

観光資源の豊富な都市だからこその飽きの来ないコース設定などさまざまな経営努力が行われていることもあり、今もなお春や秋の観光シーズンを中心に乗客で賑わっており、活気のある定期観光バスであるといえる。

現在は、ほぼ全てのコースが京都駅烏丸口の京都駅のバスターミナルから発着する。

このうち、8時・9時台に出発する便の一部には、京阪三条駅ならびに京都駅八条口からも出発するが、いずれも京都駅烏丸口定期観光バス乗り場を立ち寄ってから観光コースに入る。
なお、三条京阪前ならびに京都駅八条口には戻らないものがある。
また、琵琶湖方面を観光するコースには京都駅八条口を出発したあとに大津駅で乗降を受け付けるコースもある。

沿革
1927年(昭和3年)4月18日 京都遊覧乗合自動車営業開始(京都における定期観光バスのはじめ。)

1934年(昭和10年)1月30日 大津近郊遊覧乗合自動車営業開始(琵琶湖地区における定期観光バスのはじめ)
1939年(昭和15年)9月30日 一時休止
1948年(昭和24年)10月13日 再開
1954年(昭和30年)10月10日 京都市営バスとの共同運行開始
1983年(昭和57年)12月15日 定期観光バスとしては初の2階建車両の運行を開始
1986年(昭和61年)5月30日 全国初の女性運転手を採用(のち自然減により廃止)

代表的な運行コース
主なコース名と経由地は次の通り(経由地については順不同)
なお、運行されているコースは以下を参照。
ただし、以下にあげるコースは代表的なものであるため、この他にも『京の夏の旅』『京の冬の旅』のコースなど経由地を特定しないコースがいくつか存在する。

これ以外に挙げるコースについては公式サイトを参照されたし。

毎日運行されるコース
京の一日(Aコース)☆平安神宮《神苑》・嵐山《自由散策》・金閣寺・清水寺
京の半日(Bコース)金閣寺・銀閣寺・清水寺
京の早回り(ASコース)金閣寺・銀閣寺
嵯峨・嵐山(Cコース)大覚寺《旧嵯峨御所》・天龍寺・嵐山散策(自由散策)・仁和寺《旧御室御所》・龍安寺
洛東探訪 醍醐・東山(Wコース)南禅寺・醍醐寺三宝院・青蓮院・高台寺・ねねの道(自由散策)リーガロイヤルホテルにてランチバイキング
醍醐寺と宇治浪漫(Dコース)萬福寺・三室戸寺・平等院・宇治散策(自由散策約)・醍醐寺三宝院・勧修寺
トロッコ列車と保津川下り(Sコース)※嵯峨野観光鉄道《トロッコ列車》・保津峡保津川下り・嵐山散策
夜の京のハイライト(DHコース)☆※京都文化博物館《京の文化と町家》・神泉苑《京料理》・東山ドライブウェイ《東山山頂での夜景展望》
なお、※印のコースについては天候により運休・経由地変更がある。
また、☆印のコースは京阪バスが配備する2階建車両の運用。
(ただし、増発便がある場合はその限りではない。)

毎日運行されるが、冬季運休されるコース
比叡山と大原三千院(Qコース)比叡山ドライブウェイ・延暦寺根本中堂・奥比叡ドライブウェイ・峰道展望台・三千院・大原散策

春・秋のハイシーズンのみ運行されるコース
西山賛歌(MAコース)松尾大社・勝持寺(花の寺)・大原野神社・正法寺 (京都市西京区)・十輪寺 (京都市)(なりひら寺)・善峯寺・よしみねの里西山弁当
高尾さがの(Yコース)(秋のハイシーズンのみの運行)高雄 (京都市)散策・嵐山高雄パークウェイ・嵯峨野散策

夏季のみ運行されるコース
比叡山と琵琶湖ミシガン(Zコース)比叡山ドライブウェイ・比叡山国宝殿・延暦寺根本中堂・浜大津散策・琵琶湖汽船(湖上遊覧)
ガーデンミュージアム比叡と琵琶湖ミシガン(GMコース)比叡山ドライブウェイ・ガーデンミュージアム比叡・浜大津散策・琵琶湖ミシガン(湖上遊覧)

外国人向けのコース(サンライズツアー)
JTBが企画する外国人向けのサンライズツアーのコースとして次のコースが運行されている。
ガイドは全て英語で行われるため、参加に際してはそのガイドが案内する内容の英語が理解できている必要である。
(なお、英語が完全に理解できていれば外国人である必要はない。)

二条城・金閣寺・京都御所・京都ハンディクラフトセンター・平安神宮・三十三間堂・清水寺
上記Kyoto 1Dayのコースのうち、京都ハンディクラフトセンターまで。
(なお、ハンディクラフトセンターでのみやげ物を贈呈される『Kyoto Morning&Craft』なるコースがある。)

上記Kyoto 1Dayのコースのうち平安神宮以降のコース。

廃止されたコース
洛南の名園と男山八幡城南宮・石清水八幡宮・松花堂・一休寺

その他「京都おこしやす大学」認定コースなどの特別コースも設定される場合がある。

車両

京阪バス
京阪バス洛南営業所に配備されている社番がCで始まる貸切・定期観光バス用の車両が使用される。
(現在は、日野・セレガや三菱ふそう・エアロエースが最も多く使用されている。)

『グランパノラマ』と呼ばれる2階建車両車両は前述に示した☆印のコースに限定されている。

また、日野・レインボーや日野・メルファの小型車については、『西山賛歌』など狭隘部を走行するコースに限定されている。

また、サンライズツアー向けの車両は幕の装備の関係で2台(現在は、C-3716・3717の各号車)に限定されている。
(但し、運休日には一般コースでの運行がある。)

それ以外の車両については、後述の京都市交通局の車両、ならびに京阪京都交通などの応援車を含めて共通運用されている。

なお、かつては一般路線バスに入るバスのうち、座席が比較的豪華なものを使用していたワンロマ車についても使用されていた。

スカイバス京都については下記を参照のこと。

京都市交通局
京都市営バス梅津営業所に配備されているファンタスティックバス『京のぞみちゃん号』と呼ばれる日野自動車製のシャシーに東京特殊車体による架装を施されたものと、いすゞ自動車製のいすゞ・ガーラの4台が使用される。

『京のぞみちゃん号』については、充当されるコースが限定されているため詳しくは公式サイトを参照されたし。

京阪バスグループによる応援
秋の行楽シーズンなどの乗客が多い時期には京阪京都交通から貸切・高速専用車が応援で使用されることがある(なお、これはかつての京都交通 (亀岡)時代から行っている)。

また、京阪京都交通車の貸切・高速専用車は台数が少ないため、それでも捌き切れない場合は台数に比較的余裕のある京阪宇治バスの貸切登録車両も応援に入る(ただし一般路線でも使用するワンロマ車および路線・貸切兼用車は定期観光バスの運用には入らない)。

スカイバス京都

2007年10月4日よりネオプラン・スペースライナーのオープントップバスを使用した「スカイバス京都」(SKYバスとも称する)を京都定期観光バスで運行を開始した。
京阪バスでの運行である。
ただし運転可能な運転手は通常の定期観光バスと違い、洛南営業所およびその支所である横大路支所(横大路は京都市営バス委託の京阪バスの営業所)の優秀クラスの運転手しか行わない。

車両所属は正式には日の丸自動車興業板橋営業所(東京都板橋区)であるが、レンタル期間中は京阪バス洛南営業所に配置されている。
冬季の運行は2008年1月6日に好評のうちに終了した。

これを受けて、同年3月20日より春の運行が行われている(4月13日まで『桜コース』を、4月14日から6月8日までは『新緑コース』を運行)
これに先立ち、東山花行路2008のイベントにタイアップしたコースを無料で運行を行った。

また、春の運行より夕刻の1便に英語のみによるアナウンスが行われる便の設定がある。

管轄営業所
京都市営バス
京都市営バス梅津営業所(定期観光バスを運転できるのは市職員のみ)
過去には京都市営バス五条営業所が担当していたが、営業所廃止により梅津に変更された。

京阪バス洛南営業所(京阪バス全11営業所の優秀クラスの運転手のみ運転可能)
1985年12月までは、京阪バス大津営業所、京阪バス山科営業所(当時は京都)、洛南の3営業所が共管していたが、洛南に統一された。
なお1966年2月までは京阪バス大津定期遊覧営業所が大津駅付近に位置していたが、大津営業所(2代)に統合され廃止され、移転後は大津定期遊覧営業所管轄便は大津営業所が担当するようになった。

関連商品
2008年4月18日の京都定期観光バス80周年を記念してチョロQが発売された。
京都市交通局と京阪バスの車両が1台ずつの2台セットである。

[English Translation]